そんな中、生徒集会があって。

その後に、納め式があった。


納め式というのは、後期に外部団体から表彰された生徒が、壇上で校長先生に賞状を渡して、読んでもらうという行事だ。

いわゆる、お披露目会のようなもの。


私は、後期にたくさん表彰されていた。

短歌や、作文などで。

だから、納める賞状もたくさんあって。


あれから、志望を変えてからずっと、まともに会話をしていない川上先生も、見ていてくれる。


私は、精一杯背筋を伸ばして、壇上に立った―――



「3年5組横内晴子。あなたは……」



校長先生が、賞状を読んでくれる。

私はじっとそれを聞きながら、背中に集まる視線を感じていた。

その中の、川上先生ただひとりのために、私はここにいる。

先生。

離れていても、こうして輝ける何かを私が持っていれば。

先生は、私を見失わない。

そうだよね―――――



何枚かあったのに、校長先生は一枚しか読んでくれなかった。

それを少し残念に思いながら、壇上を降りる。


戻ると、あんまり好きじゃなかった世界史の先生が。



「何で校長先生は一枚しか読んでくれなかったんだ?」



って怒ってくれた。



「でも横内、先生たちは、横内がたくさん表彰されてること、知ってるからな!」



そう言ってくれて。

なんて、先生に恵まれたんだろう、って思った。

もうすぐ卒業だけど、こうして。

川上先生や天野先生以外にも、私を気にかけてくれる先生がいるということが。

すごく、嬉しかった―――