机に着いて数分後、前っちゃんが教室に入ってきた。
そしてそのまま一直線に私の席へ近づいてくる。
「ちょっと、吉野。
どういうこと?」
「え、な、何が?」
「何がって、瀬戸口くんのことよ。
彼、吉野に避けられたと思って結構ショック受けてたわよ」
「え!?
ま、マジで・・・?」
「マジよ。
一応吉野がおはようと返しといてっていうから返しといたけど・・・。
昨日知り合ったばっかなのに挨拶は馴れ馴れ過ぎたかなって言ってたわ」
「わ、私どうしたらいいかな!?」
「とりあえず自分で挨拶しに行ったら?
きっと喜ぶわよ、彼」
「う、うん、わかった!
私ちょっと行ってくるね!」
ガタっとイスから立ち上がり急いで廊下に出る。
あれ、でもちょっと待ってよ・・・?
教室の扉にひょっこり顔だけを出す。
「前っちゃん、瀬戸口くんって何年何組?」
瀬戸口くんのこと何も知らないや。
「はぁ。
2年C組」
「ありがと!」
私は笑ってC組へと急いだ。



