大嫌いだったあいつと



「よっ」


「お疲れ様」


「はぁはぁ、待った?」


校門につくと、すでに二人共待っていた。


「今来たとこ」


「僕もだよ」


「そっか、良かった」


水嶋はとにかく、瀬戸口くんは私と水嶋に付き合わせてるようなもんだから、遅刻なんてしたら申し訳なく思う。


「ねぇ、今日はちょっと寄り道して帰らない?」


「寄り道?」


「うん。
僕のおすすめの店なんだけどさ、いいかな?」


眉を下げて困り顔で笑う瀬戸口くん。


そんな彼にキュンっとなったのは気のせいじゃない。


まるで捨てられた子犬が助けを求めるかのように可愛らしい。


きっと耳と尻尾があったなら、耳はペタンとしているけど、尻尾はパタパタと動いているんだろう。


あぁ、可愛い。


1人そんな妄想をしていたら、水嶋がが顔を覗き込んで来た。


「なーにニヤニヤしてんだ?」


「うわっ!
見んなアホ!」


ついびっくりして素が出てしまう。


いや、いつも素なんだけど、アホなんて言葉兄にしか使ったことがない。


こんな言葉使いするようじゃ、女の子として恥ずかしい!


しかも好きな人の前ならなおさらだ。


「なんだ?
今度は顔赤くなってんぞ?」


「う、うるさい」


あー、もう。


一人でニヤニヤしたり、赤くなったり。


こんなんじゃ瀬戸口くんと二人きりになったときとかもう心臓もたないよ。