廂を歩いていき、帝の御座が置かれている光明の間(こうみょうのま)に入った。





奥には、繧繝縁(うんげんべり)の畳の上に帝の御座がある。




その前方の両側に、高麗縁(こうらいべり)の畳が並べられており、左に四つ、右に三つの宴席が設けられていた。



七人の皇子のための席である。






「ーーーお兄さまがた、もうおそろいでございましたか。


お父さまも、お待たせ申し上げまして、誠に相すみませんでした」






朝日宮は入室してすぐに頭を下げる。





兄皇子たちはすでに集まり、どの席も埋まっていた。




そのうち、最も帝に近い場所に置かれた円座だけが、主のないまま空席になっている。




常ならば沙霧宮が腰を落ち着けるはずの場所であった。





最も慕う兄宮の不在を、こんなところでもひしひしと感じ、朝日宮は悲し気に目を伏せた。