宴が始まった。
宮廷楽人たちの奏でる楽器の音が、中庭の中央に設けられた楽舞台から、風に乗り、御簾の隙間を縫って、流れてくる。
今宵の宴に召された楽人たちは、それぞれの楽器において最高の奏者という呼び声の高い者ばかりだった。
神々しく装飾的に響き渡る笙(しょう)、変幻自在に駆け回る龍笛(りゅうてき)、哀愁を帯びつつ鋭く旋律を奏でる篳篥(ひちりき)。
空気を震わせるように響く鼓(つづみ)、琵琶(びわ)と箏(そう)の華やかな絃の音。
中庭を満たす楽の音に合わせるように、はらはらと粉雪も舞い始めた。
(ーーー寒くなってきた)
気温がぐんと下がり、床板から冷気が立ち昇ってくる。
朝日宮は白い吐息とともにぶるりと肩を震わせた。
肌寒さに耐えきれず、目の前に置かれた濁酒を手に取り、くいっと口に含む。
身体の芯にかっと火がついたように、一気に熱くなった。
宮廷楽人たちの奏でる楽器の音が、中庭の中央に設けられた楽舞台から、風に乗り、御簾の隙間を縫って、流れてくる。
今宵の宴に召された楽人たちは、それぞれの楽器において最高の奏者という呼び声の高い者ばかりだった。
神々しく装飾的に響き渡る笙(しょう)、変幻自在に駆け回る龍笛(りゅうてき)、哀愁を帯びつつ鋭く旋律を奏でる篳篥(ひちりき)。
空気を震わせるように響く鼓(つづみ)、琵琶(びわ)と箏(そう)の華やかな絃の音。
中庭を満たす楽の音に合わせるように、はらはらと粉雪も舞い始めた。
(ーーー寒くなってきた)
気温がぐんと下がり、床板から冷気が立ち昇ってくる。
朝日宮は白い吐息とともにぶるりと肩を震わせた。
肌寒さに耐えきれず、目の前に置かれた濁酒を手に取り、くいっと口に含む。
身体の芯にかっと火がついたように、一気に熱くなった。



