「奥津お兄さま、ご嫡男のご誕生、まことにおめでとうございます」
「うむ、ありがとう」
奥津宮は今年で齢十五である。
元服の儀を済ませてすぐに、母・章子の異母妹である資子(しし)を娶り、十日前に第一子の親王が誕生していた。
「お名前はもうお決めになられましたか」
「あぁ、新宮(にいのみや)というんだ」
「良いお名前ですね」
「あぁ、ありがとう」
生まれたばかりの息子の話になると、いつも無表情な奥津宮の顔も少しは綻んだ。
にこりと微笑みながら見上げてくる朝日宮の顔をちらりと見た奥津宮は、あまり感情のない声で言う。
「なんだか顔色が良くないな」
「あ……そうでしょうか。
ここのところ、あまり眠れておりませんので、そのせいかもしれません」
顔を俯けて呟くように朝日宮が言うと、奥津宮は小さく頷いた。
「うむ、ありがとう」
奥津宮は今年で齢十五である。
元服の儀を済ませてすぐに、母・章子の異母妹である資子(しし)を娶り、十日前に第一子の親王が誕生していた。
「お名前はもうお決めになられましたか」
「あぁ、新宮(にいのみや)というんだ」
「良いお名前ですね」
「あぁ、ありがとう」
生まれたばかりの息子の話になると、いつも無表情な奥津宮の顔も少しは綻んだ。
にこりと微笑みながら見上げてくる朝日宮の顔をちらりと見た奥津宮は、あまり感情のない声で言う。
「なんだか顔色が良くないな」
「あ……そうでしょうか。
ここのところ、あまり眠れておりませんので、そのせいかもしれません」
顔を俯けて呟くように朝日宮が言うと、奥津宮は小さく頷いた。



