疾風は首を傾げながらも、氷見のあとについて、仲間たちのもとへと向かった。






「あっ、お頭、お帰り!!」






疾風の姿を見つけると、嬉しそうに真櫂(まかい)が駆け寄ってきた。






「見てくれよ、これ!!


昨夜の俺のエモノだぜ!!」






にかっと歯を剥き出して、両手に持った刀と宝玉を自慢気に見せてくる真櫂に、疾風が笑い返す。






「お、なかなか良いモノじゃないか」





「へへっ、だろ?」





「どこのお邸から頂戴した?」





「金の亡者で有名な、左大臣殿さ」





「女子供に手は出してないだろうな」





「もち!!


それに、男も傷つけてないぞ!!」





「そうか、よくやった」





「お頭に見限られたら、俺たち行き場が無くなるからな!!」





「見限ったりするもんか」






はははと豪快に笑いながら、疾風は真櫂に手を振って再び歩き出した。