琥珀の眼差しを受けながら、沙霧はゆったりと目を細めた。





そして、小さく言葉を紡ぐ。







「…………君のおかげで、ぐっすり眠れたよ。


ありがとうーーーーー泡雪」






「………………」






沙霧が優しく微笑むと、泡雪は静かな瞳のままゆっくりと瞬きをした。




そして、微かに唇を開く。






「……………重い」






いかにも嫌そうな声だった。







「……………え?」







沙霧が目を瞠ると、泡雪は身じろぎをして沙霧の腕の中から逃れようとした。




どうやら、泡雪の肩に載せられていた沙霧の腕が重かったらしい。





沙霧は慌てて腕をよけた。





泡雪はゆっくりと身を起こし、藁の中から脱け出す。






真っ白な長い髪がさらりと揺れて、その繊細な毛先が、ふっと沙霧の頬を掠めていった。