*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語

「巻き込まれたって、構わない。

沙霧といられるのなら、どんな目に遭ったって………」





泡雪は呟くように言った。



沙霧が首を横に振る。





「違うんだ………わたしが、耐えられないんだよ。

万が一にも君が傷つけられたりしたら……そう考えると、わたしは」





沙霧が言いかけたとき、泡雪が不意にくぐもった声で呻いた。




苦しげに顔を歪めるのを見て、沙霧は「泡雪?」と問いかける。




その瞬間、泡雪の身体が力を失った。





「………泡雪!?」





二人は吹雪の中、真っ逆さまに落下していく。




沙霧は泡雪の身体を抱きしめ、来るべき衝撃に備えた。




叩きつけられるようにして、雪の上に落ちる。





「………ぅ……」





沙霧は呻きながら身体を起こし、すぐさま泡雪の顔を覗き込んだ。




泡雪はほとんど気を失いかけていた。





「泡雪………大丈夫か!?

しっかりしろ!」





沙霧は声をかけながら、泡雪の肩を揺さぶった。