余計なことを言えば、泡雪を危険な目に遭わせることになるかも知れない。
そう危ぶんで、沙霧は何も言えなかった。
そのとき、宙に浮いていた泡雪の身体が、ぐらりと傾いだ。
沙霧は思わず息を呑み、駆け寄ろうと足を踏み出す。
しかし、黒鶴の屈強な腕に遮られてしまった。
泡雪はそのまま、柔らかい雪の上に落下した。
「………泡雪!」
沙霧の叫びに、泡雪はゆっくりと身を起こす。
その顔は蒼白だった。
しかも、肩で荒い息をしている。
疲弊しきった様子に沙霧は眉をひそめた。
(何があったんだ? 泡雪………)
しかし、次の瞬間。
男たちは慌てて背負っていた弓を取り、矢をつがえた。
泡雪が唐突に駆け出したのだ。
矢が放たれる寸前、泡雪は目にも止まらぬ速さで風を切るように男たちの間を駆け抜けた。
男たちの目がやっとのことでその白い姿を捉えた時には、泡雪は沙霧を抱えて飛び立っていた。
そう危ぶんで、沙霧は何も言えなかった。
そのとき、宙に浮いていた泡雪の身体が、ぐらりと傾いだ。
沙霧は思わず息を呑み、駆け寄ろうと足を踏み出す。
しかし、黒鶴の屈強な腕に遮られてしまった。
泡雪はそのまま、柔らかい雪の上に落下した。
「………泡雪!」
沙霧の叫びに、泡雪はゆっくりと身を起こす。
その顔は蒼白だった。
しかも、肩で荒い息をしている。
疲弊しきった様子に沙霧は眉をひそめた。
(何があったんだ? 泡雪………)
しかし、次の瞬間。
男たちは慌てて背負っていた弓を取り、矢をつがえた。
泡雪が唐突に駆け出したのだ。
矢が放たれる寸前、泡雪は目にも止まらぬ速さで風を切るように男たちの間を駆け抜けた。
男たちの目がやっとのことでその白い姿を捉えた時には、泡雪は沙霧を抱えて飛び立っていた。



