疾風は舌打ちをした。
すぐに仲間たちを振り返り、
「急いで戻るぞ!
みな、武器を持て!
沙霧を救い出すぞ!」
と叫んだ。
男たちは一斉に雄叫びを上げ、来た道を駆け戻った。
その一方で、風を切るように泡雪は飛んでいく。
愛しい人の面影だけが、心を占めていた。
いつもはどうということもないのに、飛んでいるだけで息が切れてくる。
掌から水が洩れるように、力が失われていくのを感じていた。
その理由は、泡雪には分かっていた。
子を産んだ女狐は、妖の力を一時的に失うのだ。
しかも泡雪は、まだ生み月に達していない赤子の成長を自らの力で無理やりに早めてしまった。
身体はもう疲れ切ってしまっていた。
自分のものではないかのように、身体が重い。
それでも、泡雪は飛ばずにはいられなった。
一刻も早く沙霧のもとへ駆けつけたかった。
たとえ、自分の命を削ってでも。
すぐに仲間たちを振り返り、
「急いで戻るぞ!
みな、武器を持て!
沙霧を救い出すぞ!」
と叫んだ。
男たちは一斉に雄叫びを上げ、来た道を駆け戻った。
その一方で、風を切るように泡雪は飛んでいく。
愛しい人の面影だけが、心を占めていた。
いつもはどうということもないのに、飛んでいるだけで息が切れてくる。
掌から水が洩れるように、力が失われていくのを感じていた。
その理由は、泡雪には分かっていた。
子を産んだ女狐は、妖の力を一時的に失うのだ。
しかも泡雪は、まだ生み月に達していない赤子の成長を自らの力で無理やりに早めてしまった。
身体はもう疲れ切ってしまっていた。
自分のものではないかのように、身体が重い。
それでも、泡雪は飛ばずにはいられなった。
一刻も早く沙霧のもとへ駆けつけたかった。
たとえ、自分の命を削ってでも。



