(ーーーなんだ、今の話は………?)






廊の入り口で、たまたま彼らの密談を耳にして、蒼ざめている一人の少年。




朝日宮である。






(どういうことだ?


弓に達者な者、白縫山………?)






初めは、狩りの相談か何かをしているのかと思って聞いていた。




しかし。






(この真冬に、雪山に狩に行くなどありえない。


では、なんなのだ………?)






朝日宮の胸に、ざわざわと不安の陰が差しはじめた。





男がやってきた方向を見る。





今、兼正が宿直をしているはずの場所だ。






(どういうことだろう?

兼正どのは、あの男に、何を命じたのだろう?)






朝日宮は顔をしかめて考えを巡らせた。





しかし、まだ幼く政情に疎い朝日宮には、答えを見つけることができなかった。