*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語

「そうか………母親と二人きりで。


それでは、わたしと似たようなものだな」







沙霧が独り言のように呟くと、泡雪は小さく頷いた。







「うん。そして、私の母親も、早くに死んだ。


ただ、お前の母親と違って、病ではなかった」






「え………?」







沙霧は軽く目を見開いた。




病死でないとすれば、不慮の事故による死ということか。






戸惑う沙霧を見つめながら、泡雪はゆっくりと一つ瞬いた。




琥珀の瞳が、灯火を受けて赤みを帯びる。






吸い寄せられるように見つめ返した沙霧に向かって、泡雪は静かな声で告げた。









「―――――私の母親は、人間に殺されたんだ」