「とにかく、わたしの父上は、そういう特別な位に御座します御方なんだ。
だから、たいそうお忙しい御方でね。
それに、住むところも違っていたから、お会いすることができるのは行事や儀式があるときくらいなものだった。
月に一度もお顔を拝見できる機会があれば良いほうだったよ」
沙霧がゆっくりと語ると、泡雪が意外そうな顔をした。
「月に一度?
それでは、共に暮らしているとは言えないではないか。
それでも家族といえるものなんだな」
沙霧は苦笑する。
「いや………わたしの家族は、すこし特殊なかたちだったんだよ。
ふつうの人々にとっては、同じ家に住み、同じ屋根の下で寝起きして、同じものを並んで食べるのが家族というものだ」
「では、なぜお前は、私といっしょに寝ないんだ?」
予想外の問いが返ってきたことに意表を突かれて、沙霧は動きを止めた。
だから、たいそうお忙しい御方でね。
それに、住むところも違っていたから、お会いすることができるのは行事や儀式があるときくらいなものだった。
月に一度もお顔を拝見できる機会があれば良いほうだったよ」
沙霧がゆっくりと語ると、泡雪が意外そうな顔をした。
「月に一度?
それでは、共に暮らしているとは言えないではないか。
それでも家族といえるものなんだな」
沙霧は苦笑する。
「いや………わたしの家族は、すこし特殊なかたちだったんだよ。
ふつうの人々にとっては、同じ家に住み、同じ屋根の下で寝起きして、同じものを並んで食べるのが家族というものだ」
「では、なぜお前は、私といっしょに寝ないんだ?」
予想外の問いが返ってきたことに意表を突かれて、沙霧は動きを止めた。



