*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語

穏やかな空気が、睦まじく見つめ合う二人の間を流れた。








「…………こんなところで、何してるんだ、お前たち」







見つめ合う二人の間に、唐突に、第三者の声が降ってきた。





沙霧と泡雪は、はっと視線を巡らせる。






そこには、雪の中で身を寄せ合う二人を、怪訝そうな顔で眺めている疾風の姿があった。







「はっ、疾風!」






沙霧は泡雪の肩を抱いていた手を慌てて離し、疾風に向き直った。







疾風は呆れたように二人を交互に見て、「風邪をひいても知らないぞ」と言うと、すたすたと歩み去った。






残された沙霧と泡雪は顔を見合わせて、くすりと笑うと、泡雪の洞窟の中に入って行った。