*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語

「お前の言葉が、こんなに優しくて温かいのは、なんでなんだろう、といつも不思議に思っていた。


でも、今、お前の話を聞いて、やっと分かった。



お前の言葉は、相手の気持ちを思いやって、何度も何度もお前の心の中で繰り返されていて。


そのたびに温かくなって、柔らかくなって、丸くなって。



だから、お前の言葉は、必ず、泣きたくなるくらい、優しいんだ」







「……………」








沙霧は、そっと瞼を下ろした。






いつの間にか、雪は細かくなり、風も穏やかになっている。






泡雪の言葉が、雪解け水のように優しく、じんわりと、沙霧の胸に沁みわたった。







「…………ありがとう、泡雪」







沙霧は目を開け、微笑む。







「君がそんなふうに言ってくれるなら。


わたしが今まであそこで悩み苦しみながら生きてきたことを、本当に心から、受け入れることができるよ」