*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語

泡雪は、言葉を探すように、ゆっくりと言葉を紡ぎ出す。






「お前はそうやって、いつもいつも、相手のことを、相手の気持ちを、考えながら喋るから。



何かを言うときに、じっくりと考えて、それから口に出すから。




………だから、お前の言葉は、いつも明るくて、優しくて、柔らかくて、心地よいんだな」







泡雪は、やっと合点がいった、というように小さく笑った。





すぐには泡雪の言葉の意味を呑み込めず、沙霧は唖然としたままでいた。






間の抜けた表情に気づき、泡雪はさらに言い募る。







「お前の言葉は、いつもいつも、優しい。



お前が私に何かを言うたびに、私はいつも、なんと言うか……温かい気持ちになって、嬉しくなって、穏やかな気持ちになるんだ。



それは、私だけじゃなくて、疾風や玉梓や、氷見や、他の皆も同じだと思う」







泡雪は、ひとつひとつ、ゆっくりと言葉を選びながら、噛み締めるように話す。




その真白の髪が、風に舞い踊る幻想的な光景を、沙霧は夢見るような心地で眺めていた。