*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語

沙霧は、苦い思いで、自分のこれまでを振り返っていた。






そこで、ふと、泡雪がずっと黙り込んでいるのに気づいた。




自分の暗所を知って、泡雪が自分を嫌いにったのではないか。





唐突に不安になり、沙霧は眉根を寄せて、小さな顔をじっと見下ろす。







しかし泡雪は、考え込むように首を傾げて、なにも言わない。





沙霧がしばらく黙って見つめていると、泡雪が突然、「あぁ、そうか」と納得したように声を上げた。







「そうか。だから………」






泡雪の口から洩れた呟きに、沙霧は眉を上げ、続きを待った。






「だからなのか」






「え?」






泡雪は、ふわりと口角を上げ、沙霧につげる。







「だから、お前の言葉は、いつも優しいんだな」






「え………?」







わけが分からず、沙霧は、ぽかんと口を開いた。