「わたしは君のような人を、誰一人知らないよ。
君ほどに、素直に無邪気に、なんの戸惑いも、はにかみも、衒いもなく、自分の思いのままを言葉に出せる人を。
君のような真っ直ぐで汚れのない心根の持ち主は、本当に貴い存在だと思う。
わたしは心から君を尊敬するよ」
手放しに褒められて、泡雪はなんだかむず痒い心地がした。
「……………お前は今まで、いったいどんな人間に囲まれていたんだ」
照れ隠しのように低く訊き返すと、沙霧は、くっと笑いを洩らした。
「確かに、そういうことになるのかなぁ。
………うん、わたしの周りは、君とは正反対の人間がほとんどだったよ。
限られた身内を除いては、みな、自分の心のままを口に出すのは、ひどく憚られるべきことだという考えだった。
それは、彼らの責任というよりは、そういう環境で、そういうふうに育てられてきた、というのが原因なのだけど」
「…………ふぅん。
お前は、妙なところにいたんだな。
ずいぶん窮屈そうだ」
泡雪には理解できない世界だった。
君ほどに、素直に無邪気に、なんの戸惑いも、はにかみも、衒いもなく、自分の思いのままを言葉に出せる人を。
君のような真っ直ぐで汚れのない心根の持ち主は、本当に貴い存在だと思う。
わたしは心から君を尊敬するよ」
手放しに褒められて、泡雪はなんだかむず痒い心地がした。
「……………お前は今まで、いったいどんな人間に囲まれていたんだ」
照れ隠しのように低く訊き返すと、沙霧は、くっと笑いを洩らした。
「確かに、そういうことになるのかなぁ。
………うん、わたしの周りは、君とは正反対の人間がほとんどだったよ。
限られた身内を除いては、みな、自分の心のままを口に出すのは、ひどく憚られるべきことだという考えだった。
それは、彼らの責任というよりは、そういう環境で、そういうふうに育てられてきた、というのが原因なのだけど」
「…………ふぅん。
お前は、妙なところにいたんだな。
ずいぶん窮屈そうだ」
泡雪には理解できない世界だった。



