「―――――でも、私は。
お前が、私のために作ってくれた、この櫛を、一生大事にすると決めたんだ。
だから、失くしてしまったと思ったとき、すごく嫌な気持ちになったんだ。
これから、もしも同じようなことがあったとしたら、それでも今日と同じように、すぐに探して、見つけ出さないと、嫌なんだ」
きっぱりと、泡雪は言い切った。
普段から口数の少ない泡雪は、いま言った言葉が、自分の気持ちを少しも伝えきれていない、言葉足らずのものだと思った。
胸の中を占めるこの思いは、どんな言葉で表現すれば、沙霧に分かってもらえるのか。
もどかしさに眉をしかめつつ、泡雪はなおも言い募ろうとした。
しかし、その瞬間、泡雪の身体は、あたたかい温もりに、ふんわりと包まれた。
「―――――あぁ、泡雪」
「……………?」
抱きしめられたまま、泡雪は目だけを動かし、沙霧の顔を覗き見ようとする。
しかし、その表情を窺い知ることはできず、ただ、耳許で囁かれる声音だけが、沙霧の心情を伝えてきた。
お前が、私のために作ってくれた、この櫛を、一生大事にすると決めたんだ。
だから、失くしてしまったと思ったとき、すごく嫌な気持ちになったんだ。
これから、もしも同じようなことがあったとしたら、それでも今日と同じように、すぐに探して、見つけ出さないと、嫌なんだ」
きっぱりと、泡雪は言い切った。
普段から口数の少ない泡雪は、いま言った言葉が、自分の気持ちを少しも伝えきれていない、言葉足らずのものだと思った。
胸の中を占めるこの思いは、どんな言葉で表現すれば、沙霧に分かってもらえるのか。
もどかしさに眉をしかめつつ、泡雪はなおも言い募ろうとした。
しかし、その瞬間、泡雪の身体は、あたたかい温もりに、ふんわりと包まれた。
「―――――あぁ、泡雪」
「……………?」
抱きしめられたまま、泡雪は目だけを動かし、沙霧の顔を覗き見ようとする。
しかし、その表情を窺い知ることはできず、ただ、耳許で囁かれる声音だけが、沙霧の心情を伝えてきた。



