*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語








「玉梓ー、戻ったぞー」





「おかえりなさい。沙霧、疾風」






都で買い込んできた荷物を抱えて洞窟の中に入ると、玉梓がにこやかに出迎えてくれた。







「泡雪は一人で大丈夫だったろうか」







荷解きをしながら沙霧が見上げると、茶を淹れていた玉梓は、その手を止め、首を傾げる。







「さぁねぇ、どうかしら………。


泡雪は今日は顔を出していないから、分からないわ。


ごめんなさいね」







「そうか………いや、いいんだ。


自分のところに籠もっているのかな」








沙霧は怪訝そうにして、落ち着かない様子で茶を断った。





そして二人に別れを告げると、すぐに外へ出た。