*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語

母の康子は、抜けるように色が白く、そして少女のように可憐で弱々しかった。




沙霧は、たびたび病を得て床に臥せる母を見るたびに、自分が強くならなければ、早く一人前の男になって母を守れるようにならなければ、と心に誓ったものだった。






乳母の春風ーーーつまり、疾風の母も、小柄でほっそりとした上品な女性で、少し強い風が吹くとよろめいてしまうようだった。






そうして、二人とも、病魔の手に絡め取られ、あっけなく天に召されてしまったのだ。






女房や侍女も、似たようなものだった。




皆が皆、男に比べて小さく、細く、柔らかそうで。



彼女たちが重いものや大きいものを運んでいるのを見ると、いまにも倒れてしまうのではないか、と沙霧はいつもはらはらしてしまった。




それで、周囲が止めるのも構わずに、皇子でながら、進んで手伝ってやっては、驚かれていた。






そういう環境で育った沙霧にとって、女性というのは、少し油断をするとすぐに身体を壊し、そのまま命を落としてしまいかねない、たいそう虚弱で、守らなければならない存在なのであった。