*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語

沙霧は一度閉じた口を、再びあんぐりと開いた。






「……………あ、わゆき。


それは、どういう、意味………」






「そのままの意味だが?」







当たり前である。




口下手な泡雪が、言葉に文字通り以上の意味を含ませるはずなどない。





それが分かっていても、沙霧は確かめずにはいられなかったのだ。






何とも言えない複雑な表情を浮かべる沙霧を、泡雪がじっと見る。







「………私がお前にあげられるものは、それくらいしかない」







薄い唇から洩れた、独り言のようなささやかな呟き。






沙霧は、ふ、と目許を綻ばせる。







「ーーーそんなことを言うな」