*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語

そのとき。







「ーーーーーでは、私が産んでやる」







眉を下げて困った顔をしている沙霧をきっと見上げ、泡雪が決然と宣言した。








「………………」









沙霧は、はた、と動きを止め、ん?と泡雪を見下ろす。





真っ直ぐにこちらを見つめてくる琥珀の瞳が、曇り一つなく、澄み切っている。





泡雪の言葉の意味を、ゆっくりと吟味してから。









「…………………っ、えぇっ!?」








沙霧は素っ頓狂な声を上げ、ぽかんと口を開いた。





泡雪は気にすることなく、さらに続ける。







「お前の子を、私が産んでやる」







何食わぬ顔で繰り返すので、沙霧は慌てふためいた。







「…………っ、ちょ、っと、泡雪??


な、なにを言い出すんだ…………?」








焦りに焦る沙霧を怪訝な面持ちで眺め、泡雪は首を傾げた。