*華月譚*雪ノ章 若宮と白狐の恋物語








泡雪が白縫党に加わってから、男たちは明らかにそわそわしていた。




いつものように寄り集まって、寒さを誤魔化すために酒を飲んでいた男たちの話題は、今日も自然と泡雪のことへと移っていく。







「ーーーだって、なぁ。


あんなべっぴんさん、俺ぁ見たこともないぞ?」






「まったくだよ、作りもんみてぇにきれいな顔してるんだもんな」






「俺、勇気出して声かけてみようかな」






「やめとけ、やめとけ」






「だってあの娘は………」







そのとき、背後から雪を踏みしめる足音が聞こえてきた。





男たちは一斉に振り向く。






長く真っ白な髪が風に靡くのを見て、一人が呟いた。






「…………噂をすればなんとやら、だな」





「お前、沙霧のことわざ好きがうつってるぞ」







泡雪は黙って佇んでいる。







「泡雪さんよ、ここにはもう慣れたかい」





「…………ん」







訊ねられて、泡雪は小さく頷いた。





そのまま、男たちの顔を一周するように視線を巡らせる。