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泡雪の傷が癒え、普段どおりに動けるようになると、沙霧は泡雪を連れて外を出歩くようになった。
「ここに暮らしている者は皆、家族みたいなものだからな。
泡雪も早く仲良くなるといい」
「……………」
泡雪はいかにも興味がなさそうに鼻を鳴らした。
しかし、沙霧が歩き出すと、黙って後をついていく。
目を見張るほどに真っ白な少女が目の前を通りすぎるのを、昼間から集まって酒盛りをしていた男たちが、一様にぽかんと口を開けて呆然と見送っている。
その中の一人ーーー氷見が立ち上がり、沙霧の肩を叩いた。
「…………さ、沙霧。
その娘は、いったい………?」
氷見は横目で泡雪の顔を見つめながら、少し裏返った声で訊ねた。
沙霧はにこりと笑い、泡雪の両肩に手を置いて男たちのほうを向かせた。
「泡雪というんだ。
これからここで暮らすことになったから、よろしく頼むよ」
「はぁ………」
男たちは顔を見合わせた。



