ただ優貴の手を握るだけのオレに 「大貴、優貴くんの保険証と着替え用意して」 藍が指示を出した。 藍は冷静だった。 藍が冷静なのは、優貴が自分の子どもではないからだろうか。 ・・・・・・・・・・・イヤ、違う。 藍はそういう人間じゃない。 オレが動揺しているのは、ただ単に自分が弱くてどうしようもない人間だから。 だって藍は、婚約破棄になっても、冷静沈着に自分の道を切り開く人間だから。