「待って。
もう心得覚えたんだ」



そりゃ2人で昨日文句を言いながらしてたら覚えてしまったって。



「昨日も一礼完璧だったし。
もしかしてどこかの使用人?」


「いえ、
単なる一般人ですので」



顔を覗き込んでくる。


『ウザイ人』ってつい思ってしまった。



「そっか。じゃあ、
誰かに教わった?それとも…」



さらに心臓が悪くなる。



うわ、危ないなぁ。


思わず、遮った。



「母にですが、たしなむ程度です。
急ぎますので失礼させて頂きます」



なぜか切れ気味に言って、逃げ出すかの様に早々とその場を走り去ったのであった。



心臓持たないよ。


あまり接触したくないのに!