東宮のお嬢様が適当に制服を着ているなんて考えられないことだろう。



(メイドの人が見てたら
怒鳴られてたかも)



すると、行く途中で英理に会った。


英理は気楽そうに歩いていた。



「お、おはよう」


「おはよー!!
美怜、息切れしてるよ!?」


「…うん。
だって時間が…危ない……」



肩で呼吸をする美怜は言葉も途切れ途切れになっていた。



「もうそんな時間!?!?」


「う、うん」


「急がないと遅刻だぁー!
朝礼に間に合わないよ!!」


「ちょ、朝礼?」


「知らないのかぁ…
ひとまず走るよー!!」

「う、うん」



生き生きとした顔で言う。



「美怜、学園まで競走だぁー!!」


「えっ!?ちょっ…!!!卑怯だよ!!」



先に走り出した英理。


美怜は必死の形相で追いかけて行く。


そして2人は学園まで汗をにじませながら、おもいっきり走ったのだった。