*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

「その賞金首の話って、都じゅうの人が知ってるのかしら?」





涼やかな声が突然割り込んできて、女たちは目を丸くした。




しかし、あまりにも当然のように会話に入ってきたため、考える間もなく答えざるを得ない。






「えぇ、そうだねぇ。


あんだけ大々的にお触れが出されたからねぇ。



今や都の端っこまで噂が飛んでるんじゃないかねぇ」






頭からかぶった衣被を鼻のあたりまで引き下げながら、汀はこくりと頷く。






「へえ、そうなの。


みんな本気で賞金首を探しているのかしら?」





「そりゃぁそうさ。


あんな大金、本当に手に入ったら、一生かかったって使いきれないくらいだもんね」





「そうなの………ありがとう」






汀はにっこりと笑って女たちに手を振り、ぱたぱたと駆け去っていった。





あとに残された女たちは、目をぱちくりと瞬かせ、顔を見合わせる。






「………なんだい、あの娘。


あんたの知り合いかい?」





「いや、知らないよう。


あたしのほうこそ、あんたの知り合いかと思った」