そんなのどかな雰囲気の中、一人むすっとしているのが、ひねくれ者の藤波である。
いち早く気づいた楪葉が、すっと藤波の隣に移動した。
首を傾げて藤波の顔を覗き込むようにして、小さく話しかける。
「………藤波ったら。
むっつりしちゃって、どうしたの」
藤波はちらりと楪葉を見て、また視線を戻した。
その先には、檀弓がくれた干菓子をうきうきとした様子で口に運ぶ汀がいる。
「………べつに、むっつりはしてないけど。
ただ、荷物持ちに無理やり連れて来られて、興味もない買い物に付き合わされて、市じゅうひっぱり回されて、疲れたんだよ」
「そんなこと言って。ほんとはお買い物好きなくせに」
からかうように言った楪葉の言葉に、藤波の不機嫌そうな視線が戻って来た。
藤波はむすっとした顔で楪葉を見つめる。
「はぁ? なに言ってんだよ、楪葉」
「だって小さい頃、檀弓が都に買い物に行く時はいつも、連れてけ連れてけって騒いでたじゃない」
「………いつの話だよっ。この年の男が買い物なんか好きなもんか」
つんと顔を背けて、再び汀のほうに目を向けた藤波の整った横顔を、楪葉は黙って見上げた。
いち早く気づいた楪葉が、すっと藤波の隣に移動した。
首を傾げて藤波の顔を覗き込むようにして、小さく話しかける。
「………藤波ったら。
むっつりしちゃって、どうしたの」
藤波はちらりと楪葉を見て、また視線を戻した。
その先には、檀弓がくれた干菓子をうきうきとした様子で口に運ぶ汀がいる。
「………べつに、むっつりはしてないけど。
ただ、荷物持ちに無理やり連れて来られて、興味もない買い物に付き合わされて、市じゅうひっぱり回されて、疲れたんだよ」
「そんなこと言って。ほんとはお買い物好きなくせに」
からかうように言った楪葉の言葉に、藤波の不機嫌そうな視線が戻って来た。
藤波はむすっとした顔で楪葉を見つめる。
「はぁ? なに言ってんだよ、楪葉」
「だって小さい頃、檀弓が都に買い物に行く時はいつも、連れてけ連れてけって騒いでたじゃない」
「………いつの話だよっ。この年の男が買い物なんか好きなもんか」
つんと顔を背けて、再び汀のほうに目を向けた藤波の整った横顔を、楪葉は黙って見上げた。



