*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

そのとき灯は、身体中に巻きついてきた枝や蔦を引き剥がそうともがいていた。






(…………っ、くそ!!


なんてしつこいんだ………しかも、普通の蔦より太くて硬い!


手で千切るのは無理か!?)






なんとか蔦を断ち切る術はないものかと、首を巡らせて辺りを探るが、目ぼしい物は何もない。




それどころか、全てのものが灯を捉えようと、ざわざわと近づいてきていた。







そこに、不意に、人間の叫び声のようなものが聞こえてきた。





(……………?)





今まで蔦との格闘に気を取られていたが、よく耳を澄ませば、草木を掻き分けてくるような足音も聞こえる。






(…………誰か、こっちに来る!!



た、助かった………)







微かに安堵したのも束の間。