*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

水辺に密集して生えていた葦が灯の足に絡みつき、樹々の枝や、幹に巻きついていた蔦が、空を切るように向かってくる。






「…………っ!!」






灯は蔦に腕を取られ、汀から引き剥がされてしまった。






「…………汀っ!!」





「すおーまろーっ!!」






汀は地に伏せるようにして、水中に引き込もうとする青瑞の姫に必死に抗っていた。






「あ、青瑞の姫さまっ!!



どうして、こんなことするんですか!?」






『………そんなの、決まっているだろう』






「えっ!?」





『男と仲良くしているお前が、妬ましくて憎いからだよ!!』







青瑞の姫は汀を睨みつけた。






「………え?


あのぉ、私があなたのお名前を借りたから、じゃなくて?」






『…………は? 何の話だ?』






「えぇーっ!?」