*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

灯はそれを見逃さず、すかさず汀の腕をぐいっと引く。






『…………あっ!!』






汀の腕は青白い手と髪に巻きつかれたまま、水飛沫をあげて水面から引き出された。





灯はほっとしたように汀の身体を腕の中におさめる。





そして、ぱっと視線を泉のほうに戻した。






汀の手首を掴んで離さない、青白い手の先には。






「…………んまぁ」





「……………」






青白い肌に真っ白な単を着た、長い髪の女が水面から上半身を出していた。





息を呑むほど美しい、妙齢の女である。






「…………あなた、まさか………」






汀は灯に抱きすくめられながら、大きく目を見開いた。







「あなた、青瑞の姫………?」