*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

『…………ふん、分かっておるわ。



わざとだよ、わざと………間抜けな女だな、お前』






ごもっともな返事が返ってきた。




手と髪の力も、緩む気配はない。





しかし汀は、話が通じるらしいことが分かって気を良くする。






「あの、それって、私と仲良くなりたいってことですか!?」





『……………はぁ??』






汀があまりにも唐突な言葉を吐いたので、気が抜けたのか水中の手が少し緩んだ。




それを感じ取り、汀はここぞとばかりに言葉をつなぐ。






「私もあなたと仲良くなりたいわ!


だって、お友達は多いほうがいいもの!


ねぇ、せっかくお友達になるんだから、穏便にいきましょうよ。


こんなふうに無理やり私を引き込んだりしたら、のちのち後腐れがあっても困るじゃないの」






『……………お前、何を言っている?』







汀の腕に纏わりついていた髪が、戸惑ったようにざわりと蠢いた。