*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

多少険悪な二人の様子に気づいてか気づかずにか、汀は笑って藤波に話しかける。






「あらあら、藤波ちゃんったら。


私たちがあんまり楽しそうだから、羨ましいのね?



藤波ちゃんも一緒に、ここに入ればいいのに」






「…………冗談」







藤波は吐き捨てるように言って、ぷいと振り返って去って行った。







「…………あんまり藤波をからかうなよ」







藤波の足音が消えると、灯はちらりと汀を見て小さく言った。





汀はくすくす笑いながら、「だって可愛いんだもの」と勝手なことを言う。






藤波を憐れむように灯は吐息を洩らした。