いちおう囚われの身ということになった灯がこの牢に入れられることになると、汀も一緒に入ると言い出したのだ。




二人の食事を持ってきた藤波は、呆れ顔で格子の間から食事を差し入れた。






「まったく………二人して、どんだけ能天気なわけ?


信じらんないよ、こんなじめじめした所で、ほっこり語り合ったりしてさ………」






藤波の言葉に、灯が嫌そうに眉を顰める。






「…………待て、藤波。


俺はこいつとは違うぞ。


能天気なんかじゃない、この状況を本気で憂えている」






「そんなの、口だけだろ。


けっこう楽しそうにやってんじゃないか」







「……………」







灯はそれ以上言わず、腕を組んで壁に背をもたれさせた。