灯はふぅ、と溜め息をつく。





(…………まったく。


本当に、こいつにはかなわん)







怒る気力も完全に失せてしまい、灯は項垂れて壁にもたれた。





汀は満足げにふふふと笑った。







「…………こんな所で、なに和んでんの」







突然、呆れたような声が降ってきて、汀と灯は同時に顔を上げた。






「あら、藤波ちゃん」




「…………二人とも、ここ、どこだと思ってんの」





「え?」





汀と灯がのんびり語り合っているそこは、汀と藤波が始めに囚われていた地下牢だった。