頬をぴくぴくさせながら怒る灯に構わず、汀はその紅い髪にすりすりと頬擦りをする。






「………あぁっ、懐かしい!!


蘇芳丸のにおいだわっ!!」






「……………っ!!」






汀が鼻をくんくんとうごめかしながら、うっとりとそんなことを言うので、灯は微かに頬を赤らめた。






「…………お前は、変態かっ!!」






悪態をつくように言った灯に、汀がくすくすと笑いかける。






「いえ、別に?


でも私、蘇芳丸のにおいは好きよ。


久しぶりにあなたのにおいが嗅げて、嬉しいのよ」






「…………気味が悪い」







灯は嫌そうな顔で低く呟いた。