続々と浴びせかけられる心ない言葉に、息吹の誇りはずたずたに引き裂かれた。




屈辱に打ち震えながら、息吹は灯を見下ろす。






「………くそっ!!


お前なんか………っ!!」






怒りのままに、息吹は足を振り上げる。




その足が灯に振り下ろされた。





縛られて手も足も自由にならない灯は、思わず首を竦めて身を硬くする。





そこに、はっと息を呑んだ汀が駆け寄り、灯に覆いかぶさるようにしゃがみ込んだ。





それに気づいた天城が、慌てて息吹の足をつかむ。






「お頭、いけねぇっ!!」




「なっ!?」






足元をすくわれた形になった息吹は、体勢を崩してよろめき、そのまま転んでしまった。






「んまぁ」






灯に抱きついた汀は、目を見開いて成り行きを見ていた。