*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

あえなく、灯は捕らわれの身となってしまった。






「……………汀」






地中から響いてきたような低く淀んだ声音で、灯は呟く。






「今度という今度は、本当に呆れた。


しかも俺をこんな目に遭わせて………一生恨むぞ」






しかし汀はいつも通りのほほんと笑っている。






「あらっ、蘇芳丸ったら、私と一生一緒にいるつもりなのね」






「…………っ!!


お前なんか、もう知らん!!」







そんなやりとりをしている横で、息吹が勝利の色に酔いしれている。







「…………皆の者!! 見てみよ!!


この火影童子、お前たちが拍手喝采を送っていた火影童子は、俺様が捕らえたぞ!


まったくもって、ちょろい奴だ!!



今後はこんな男ではなく、俺こそを崇め奉れ!!」







息吹は勝ち誇ったように、縄でぐるぐる巻きにされた灯を指差し、勝利宣言をした。