*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

汀の頭をがっしり掴んで、ぐいぐいと引き剥がそうとする灯を、汀はしっかりと抱きついて離さない。






「………んの、阿呆! 離せっ!!」





「だめよっ!! もう少し待ってて!」





「大人しく捕らえられるのを待つ奴がどこにいるか!!」





「乱暴はしないから!!」







人波に揉まれながら、二人で揉みあっているうちに、息吹と天城が近くにやって来た。






「おぉっ!! 姫!!


お手柄ですな!!」






灯にしがみついている汀を見つけて、天城が嬉しそうな声を上げた。




息吹は満足げに微笑みながら、灯の両腕を後ろ手にしてがっしりと掴む。






「天城、なにか縛るものを!!」




「はいっ、縄があります!!」