*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

苛立たしげに灯を睨みつけている息吹を、汀はちらりと見上げた。






(………んまぁ。


なんだか雲行きがおかしくなってきたわ。



せっかく順調に占い稼業をしていたのに。


蘇芳丸が出てくると、いつも事態がこんがらがっちゃうわ!)






と、自分のことを思いきり棚に上げ、汀は小さく溜め息を洩らした。






(こんなにたくさんの人が見ていたら、悪目立ちするとよくないもの。


いくら蘇芳丸でも、天城に捕まってしまうかもしれない………。


なんとかしなきゃ!)






汀がきょろきょろと周りを見回すのを、少し後ろにいた藤波が不安そうに見つめる。






(………また何か良からぬことを企んでいそうな………)






藤波のひそかな危惧は、的中した。