「ねぇっ、蘇芳丸!


なんで邪魔をするの!?」






「……………」






「私、せっかくお料理を教えてもらおうと思ったのに………」






「……………」






「また後で遊んであげるから、ね?


今はとりあえず、調理場に戻らせてちょうだい」






「…………っ!」






無言で汀を引きずっていた灯は、とうとう舌打ちをして足を止めた。






「………お前が包丁を使う姿など、恐ろしくて見ていられるかっ!!



それにお前の味覚を考えれば、まともな料理など出来上がるわけがないだろう!?」






「んまぁ、なんて失礼なの?」






いかにも心外、といった顔で、汀は灯を見上げた。