*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

「………ちょっ、灯!?


えっ、帰っちゃうの!?」





藤波は慌てて灯の袖を引いた。






「…………あぁ、帰るよ。


あいつはどうやら、俺と一緒に白縫山へ戻る気はないらしいからな」








すると汀がふるふると首を振る。






「なに言ってるの、蘇芳丸!!


私は白縫山に帰りたくないわけじゃないのよ?


もちろん帰りたいけど、ここでやらなきゃいけないことがあるのよ!!」






「…………意味が分からない」






灯が冷ややかに言い切ったとき。





「…………ん? 白縫山………?」







二人のやりとりを黙って聞いていた息吹が、怪訝そうな顔で唸った。






「白縫山へ帰る………と言っている、紅い髪の男………」






息吹は灯を上から下までじろりと見た。




そして、ぽんと手を打つ。