*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

「いや、だってさ!!


この占い処の宣伝のためにちらしを配ってこいって、汀に頼まれて………。



あんな強引な人に頼まれたら、断れないからさ………」






「………それでお前は、あの馬鹿の言いなりになって、呑気にちらし配りか」






「…………だって、仕方ないよ」






「白縫山がどんな騒ぎになってるか、分かってるのか」






「そりゃ、ずっと考えてたよ!


でも、汀が俺の言うことなんか、聞くわけないだろ?


何度言っても、聞く耳もたないんだから、どうしようもないさ!」






「……………」






藤波の困ったような表情に、灯は溜め息を漏らした。






「………まぁ、確かにそうだな。


あいつは、人の言うことなんか、右から左に流すからな………。



お前も大変だったな。


怒ってすまなかった」






「…………こっちこそ、汀のこと頼まれてたのに、ごめん」







灯は少し微笑んで、藤波の頭をぽんと叩いた。