*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

「〜〜〜んもぅ、蘇芳丸ったら!!」





仕方がない、と汀は心の内で呟く。





そして、大きく口を開くと。





がぶり、と灯の腕に噛みついた。







「〜〜〜〜〜っ!!」






馬乗りのときよりもさらに容赦のない噛みつきに、痛みのあまり灯は声も出ない。





思わず腕が緩んだところで、汀はするりと脱け出した。







「…………阿呆っ!!



お前はいったい何を考えているんだ!!」







灯は手を伸ばして汀を捉えようとしたが、身軽に避けられ、かなわなかった。




汀はさっと天城の背後に身を隠し、顔だけを覗かせて灯を見た。






「怒らないでちょうだい、蘇芳丸。


これには訳があるのよ」






「……………」






「もう少しお金がたまるまで、私はここで占い師をしなきゃいけないの」






「……………」







灯の怒りは頂点に達した。






「…………勝手にしろ!!」