*華月譚*花ノ章 青羽山の青瑞の姫

男は再び舌打ちをして、言葉を続けた。






「………とにかく、その間抜けを一刻も早く見つけないと、また面倒を起こすに決まっている。


なんでもいいから、早く連れ戻したい」






汀は大きく頷いた。






「分かったわ!!


任せて、私がそのお馬鹿さんの居場所を占ってあげるわ!!」






そして、水晶玉に手を軽く当て、じっと睨みつけるように顔を俯ける。




それだけでは物足りないような気がして、小さく「うぅぅ」と唸ってみせ、より占い師らしさを演出してみた。





(………あぁ、今の私、とっても占い師っぽいわ!!


この調子でやれば、息吹だって満足してくれるわね!!)






汀は内心にやにやと笑いつつ、うんうん呻きながら水晶玉の中を覗き込むようにする。






「……………あっ。


来ました来ました、見えてきたわよ!」







さも大発見をしたような声音で叫ぶと。







「………………茶番はいい加減にしろ!」






客である男が突然立ち上がり、汀の首根っこをぐいと掴んだ。