外に出された汀は、手持ち無沙汰なのにまかせて、村の中をうろうろとする。





遅めの食事を作っているらしい女たちの集団を見つけ、にこにこと近づいていった。






「みなさん、おはよう!」






唐突に明るい声が降ってきたので、女たちは驚いたように顔を上げた。






「………え、あぁ、おはよう」




「おはよう、いい朝ね」






そんな返事をしながら、女たちは顔を見合わせる。





事情通の一人が、汀の青い瞳を見て手を叩いた。





「あっ、この子、灯の………」





「え? あぁ、この子が………」






すっかり噂の的になっている汀だったが、気にする様子もなく女たちの間に屈み込んだ。






「あなたたち、ごはんを作っているのね」




「ええ、そうだけど………」




「よかったら、教えてくれないかしら?」