歩は一人で考えこんだ。

(やっぱり行ったほうがいいのかもしれない。)

そう思い立ち、歩は杉浦の自宅に向かう。

家の前の大通りで右手をあげてタクシーを拾い、タクシーに乗り込んだ。

歩(すいません。そこを右に曲がってください。)

そんな風に歩は杉浦の自宅へとタクシーを誘導した。

歩(おつり、いらないです。)

そう言って、2000円を払ってタクシーをおり、杉浦の部屋へと向かった。

合鍵で杉浦の家へと入ると杉浦の姿は、見当たらなかった。
歩は部屋の中をしきりに、探すが杉浦の姿はなくなっていた。
するとそこに玄関からドアを開ける音がした。

ガチャ…

歩は杉浦だと思い振り返った。
しかし、残念なことに杉浦ではなく、杉浦の側近の男が部屋に入ってきた。
何度か店で見たことがある側近の男だった。